
2015.11.24
ROMEのイチオシ 『AGENT ROCKER』
ROME Snowboard Design Syndicate(ローム・スノーボード・デザイン・シンジケイト)、略した通称がROME SDS。
今回はそのROMEの中でも特におすすめしたいプロダクト、ハイブリッドボードのAgent Rockerについてです。
14 - 15モデルのAgent Rockerは、Rocker Camberタイプとして両足の間にロッカー部・ノーズとテールの足元にポジティブキャンバー部を施したモデルでした。
15 - 16シーズンからは、前作のベースを活かしつつ、Mtn Pop Rocker(マウンテン・ポップ・ロッカー)といった新しい形状に刷新され、スノーボードの反発力を最重要視したロッカーボードとなっています。このシーズンのROMEは、Agent Rockerだけでなく、プロダクト全般的に「反発力」がテーマとなっていたんですよね。
そして今シーズン(16 - 17シーズン)のAgent Rockerも、Mtn pop rocker 2.0型です。
因みに、ROMEのMod Rocker等が搭載しているFreePop Rockerについても掲載しています。
MTN POP ROCKERの形状はBURTONのFLYING V?

ROMEのMtn Pop Rocker(マウンテン・ポップ・ロッカー)、この形状の最大の特徴は以下の2点です。
・ボードの中央部がロッカー構造
・両脚元にそれぞれキャンバー構造
この構造の最大の持ち味は、Camberの特性であるターンの初動からエッジが入っていくこと、それをさらに力強く利かせたカービングが比較的容易に可能であること、そしてRockerの特性である浮力が高いことです。パウダーでの浮力は通常のCamberと比較すると群を抜いています。
そして難点は、高速滑走すると、ノーズにバタつきを感じることです。
なのですが・・・ですね。
この話、BURTONのFlying Vの形状についての特性と解説で書いたこととまったく同じです。
ちなみにこちらがBURTON Fying Vの形状です。

如何ですかね?
どちらもお互いDouble Camberのような形状で、中央にロッカー構造を施し、両足元にそれぞれcamberの形状を持たせています。
結果、その特性は非常に似通っています。
しかし、細かく見比べて比較してみると、この2枚の形状と特性にはそれぞれ違いがあります。
ノーズとテールがよりRockerに近い形で浮いているのがBURTONのFlying V、それに対して、中央のRocker部分のV字が浅めで両足元のCamberが深めに作られているのがROMEのAgent Rockerだと言えそうです。
最初からノーズとテールを浮かせることで浮力を出しているFlying Vに対して、両足元の反発力を最大限に引き出そうとしている深めのカーブ形状はROME Agent Rockerが持つ独自の型です。
強いて表現すれば、Flying VがRockerベース、そしてAgent RockerはDouble Camberベースと取れそうです。
それゆえ、両方に乗った時の感触も、それぞれに異なると思います。
Agent Rockerの場合は、ノーズとテールに再度Rocker形状を施しているFlying Vよりも高速滑走によるバタつきが軽減されてもいるでしょう。
最近主流ともなっているハイブリッド型(いくつかの形状を組み合わせた型)には、Rocker + Camberを兼ね備えているプロダクトはこの2枚の他にもあります。
形状はパッと見て似通っていたりしますが、そのウリとするものはそれぞれ持っています。
BURTONのFlying Vなら、より浮力を高めたRocker + Camber構造、そしてAgent RockerのMtn Pop Rockerはより反発力を高めているRocker + Camber構造です。
ROMEとBURTONの関係性
ROMEは2001年にスタートしたスノーボードブランドですが、そもそもROMEはBURTONのCustom製作チームにいた人物が中心となって立ち上げた独立ブランドです。
なんだか、世界的に有名なダウンブランドのMONCLERから独立し、世界で初めて日本に路面店をオープンさせて、且つここ数年で圧倒的にシェアを伸ばしているDUVETICAみたいですね。
ROMEが2001年の設立、DUVETICAは2002年と時代まで似通っています。
もちろんROMEとBURTONの関係性はそれ以上でも以下でもないとは思いますが、この2枚(Agent RockerとFlying V)のコンセプトのベクトルは同じ方向を向いたもの同士なのでしょう。
結論もFlying Vの評価で書いたものと近似値的な感じになりますが、
・究極の中途半端モデル
・すべての指標で平均点を上回る優秀な形状のボード
ですね。そして、不向きなケースが見当たらないため、初心者に対してもおすすめできる一品と言えるでしょう。
さらに、このAGENT ROCKERは反発性を最大限に高めたモデルであることも特徴です。前述しましたが、Flying Vと異なる点ですね。
ひと昔前のガラケー全盛時代、ド定番のdocomoを好んで選ぶ人と、ド定番を敢えて外して他を選ぶタイプの人がいました。
今回のこれも同じような感じかもしれません。
万人ウケするオーソドックスな定番を好む方は『BURTON Flying V』を、誰でも思いつく一番のド定番を敢えて外し、そこにこだわりを追求することを好む方は『ROME Agent Rocker』と、選択がまっぷたつに割れそうです。
どちらにしろこのタイプを選択するのなら、ROME Agent RockerかBURTON Flying V、この2択で決まりです。
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